読書観

毎週1冊読んでいる本の中から、本当におススメしたい本だけ抜粋して、
読書観を紹介していきます。

"2010年6月"の記事一覧

  • 2010年06月23日
    カテゴリ:

    師匠の塾頭のBLOGを読んでいらっしゃる方は、著者のお名前に見覚え
    があるかとも思います。
    http://yasundo.jugem.jp/?search=%CE%A2%C0%E9%B2%C8


    著者は千利休の子孫...
    茶道裏千家第15代家元です。

    今まで"一芸に秀でている方"の本でも、スポーツ関係は読んできました
    が、伝統文化の方などは読むのが初めてでした。


    読んだ感想は...
    すごく心を動かされました。

    題名の"いい人ぶらずに"というのが、本の中から伝わってきます。


    人間の欲、弱さなども認めて...あるがままの飾らない著者の言葉がと
    ても身に染みる本でした。
    これを自分自身どう行動に移していくか...これが今後の課題と思いま
    すが、これも"頭"だなと感じてしまうところです。


    難しい言葉ではないし、理解はできるけど、でも「難しい」そんなことを
    感じる本でした。ぜひ皆さんにもお読みいただきたいと思う本です。
    5月14日発行だったようですので、書店に普通においてあると思います。


    いくつか挙げて、所感を書かせていただきます。


    ●人は「いい人」であろうとする。
     けれど、たいていの人はここで決定的な間違いを犯して、
      「いい人になる」よりも「いい人に見られよう」としてしまう。
      つまり、「いい人ぶって」しまうのです。

    ...胸が痛いです。
     まさに、いい人になるよりも、いい人に見られようという、
      矢印の外向きな生き方をしていることを感じました。
     靴をそろえるなど、できることをやる、やり抜くことで、
      そういう自分を少しずつ変えていこうと思います。


    ●世界中を飛び回ってきて、つくづく思うのは、国や人種の
      違いはあっても、人は同じだということです。同じひとつの命。
     
     ところがおもしろいことに、そうした個人が集まってひとつの
       集団となり国となると、そこにはあきらかに国民性の違い
       というものが現れてきます。

    ...企業も同じだなと思います。
     国民性があるように、企業の"らしさ"がある。でも、
      それを形作っている一人ひとりは個性がある。
     朝礼を通じて、いい"らしさ"をつくり、一体感を出していけるよう
       にしたいと思います。


    ●私の家の先祖である利休様が、こう言っております。
     「叶うはよし、叶いたがるは悪しし」
     何かを成し遂げたいと思ったとき、そのために努力をして、
       結果として願いが叶うのは大事なこと。けれど、小手先のこと
       に気を取られて、ろくな努力もせず、ただ叶えたい、
     叶えたいという気持ちばかりが先走ってしまうのはよくない、
       ということです。

     叶う、というのは自然。あるがままを受け入れることで、
       結果、上手くいく。

    ...プロセス=結果。先走るのではなく、いま・ここ足元をしっかり
       とやっていかないといけないと感じました。
     これもまた胸が痛い言葉でした。


    ●このお茶をあなたにさしあげたい、と思って、一生懸命に点てる。
     その思いが上手下手を越えて、かけがえのないものとなる。
      あなたのために。
     あなたに一番おいしいお茶を点て、あなたに喜んでもらう。
     そのためにいろいろと工夫をする。それが私の喜びになる。

     ただし、上手に点てようとするのはただの「思い過ごし」。
      これは駄目です。
     うわすべりじゃ駄目なのです。
     思いを込める。そこに心をぶつけ、込めることが大事。

    ...自分は講話をさせていただく際にも「うまくやろう」という気持ちが強いと
     塾頭からよく指摘され、それは"頭"だといわれます。
     相手、聞き手のために一生懸命やる。それだけを念頭に、今後はやって
     いきます。ちょうど6月8日に巣鴨倫理法人会で講話させていただくので、
     その際の心積もりにします。


    他にも色々ありますが、長くなりすぎてしまいますので。

    言葉に重さを感じたこともあり、たくさん、そして一つひとつが長く書き出し
    てしまいました。
    読みにくくなってしまっていましたら、申し訳ございません。