読書観を紹介していきます。
- 2010年03月24日カテゴリ:
タイトルに「ドラッカーの『マネジメント』」とあったのですが、
この本は物語、小説でした。
この本で、はじめて「マネージャー」と「マネジャー」が別のもの
だということを知りました。今までは呼び方が違うだけで、同じ
意味だと思っていました。
読んで一番感じたことは、手前味噌ですが、ISKが使っている、
マーケティング関連図は、ドラッカーの言っていることを図にした
素晴らしいものなんだなということを感じました。
(マーケティング関連図は、ISKのHPよりダウンロードすることが
できます
http://ssl.action-compass.jp/isk/sample_tool/index.html
)
マーケティング関連図では、「誰に」「何を」「どのようにして」
「どう感じさせて」
「どう供給するか」とありますが、特に"誰に""何を"...その重
要性がこの本で書かれています。
誰に
●企業の目的と使命を定義するとき、出発点は一つしかない。
顧客である。顧客によって事業は定義される。(23頁)
何を
●あらゆる組織において、共通のものの見方、理解、方向づけ、
努力を実現するには、
「われわれの事業は何か。何であるべきか」
を定義することが不可欠である。(22頁)
また、マネジメントということで、「事業は人なり」という言葉が
あるように、人をどう活かすか...
そういう部分がなによりも企業として重要なのだということを感じ
させられる本でした。
●人のマネジメントとは、人の強みを発揮させることである。人は
弱い。悲しいほどに弱い。
問題を起こす。手続きや雑事を必要とする。人とは、費用であ
り、脅威である。
しかし人は、これらのことのゆえ雇われるのではない。人が雇わ
れるのは、強みのゆえであり能力のゆえである。
組織の目的は、人の強みを生産に結びつけ、人の弱みを中和する
ことにある。(80頁)
●成果とは打率である。弱みがないことを評価してはならない。
そのようなことでは、意欲を失わせ、士気を損なう。
人は優れているほど多くのまちがいをおかす。優れているほど新
しいことを試みる。
(145~146頁)
朝礼コンサルタントとして仕事を行う上でも、弱みを消すことも必
要だが、強みを活かすことのできる朝礼の構築を心掛けていき
たいと思います。
また、ドキッとした言葉がありました。
●マーケティングだけでは企業としての成功はない。静的な経済に
は、企業は存在しえない。
そこに存在しうるものは、手数料をもらうだけのブローカーか、
何の価値も生まない投機家である。
企業が存在しうるのは、成長する経済のみである。あるいは少な
くとも、変化を当然とする経済においてのみである。そして企業こそ、
この成長と変化のための機関である。
この「企業が存在しうるのは、成長する経済のみである」と言う言
葉にです。
今は経済自体が成長していない状況ですのし、今後も"成長"する
のかは...
ただ、変化していくことは間違いないと思いますので、変化の中で
企業は存在していくのだと感じました。
元野球部としては、「そんなうまくいくわけないでしょう!」と
フィクションにも関わらず突っ込みたくなりましたが...
野球部がコンセプトを持って活動していたら...
ちょっと面白いなと思います。
ドラッカーに触れるにはとてもわかりやすいし、読みやすい本だっ
たように思います。
そして、こういうロングセラーになっているものは、色々なものに
応用が可能なのだということを感じさせられました。
今後は2匹目のドジョウを狙って、カーネギーの「人を動かす」と
か、そういうものを使っての本が出てくるかもしれないですね。
気楽に読めて、ドラッカーに触れられるので、おススメできる本だ
と思います。